またしても、新刊。
久しぶりに出たはいいが、想像通りというか、コケてるようだ。
いまではもう、「あの人は今?」状態のようだね。
こんなんじゃ、すぐに「次」というわけにはいかないだろうな。
ま、仕方ないな。何の商売でもそうだけれど、すべて、品物が売れて何ぼの世界。
これまでが順調すぎた、ということだろう。
紙本で三十冊。web本を+すれば三十五冊ぐらいか。
六百冊近くも刊行している凄い人もいるから、私のは数的には大したことないが、それで三十冊を振り返れば、無名にしては上出来だと思う。
訊くとところによると、十冊ぐらいでそろそろ飽きられるらしい。年間の冊数が少なくとも、現役十年ぐらいで名前が消える書き手が多いという。
そうしてみると、売れないのも仕方のないことかも知れない。
とはいっても、筆を折る、というのではない。これまでと変わらず、オファがあればむろん書く。まだ一冊二十日間ぐらいで書けるからね。
最終まで残った作品が発表されたようだ。新人が次々デビューしてくる。
私は一度しか応募したことがないけれど、一次にさえ掠りもしなかった記憶がある。
唯、ずっと昔に、今はもう消えてしまった出版社主催の「官能小説大賞」で第二回の大賞をとったことがある。第一回が北原双治さんで、第三回が北山悦史さんだった。懐かしい思い出だね。その後官能は書かなくなり、ふと思い立ってFに応募した。先に記したようにまったく掠りもしなかったのに、ある日、書かせてもらうことになった。だいぶ昔のことではあるが、そり理由を書けば、たとえ応募に落ちても官能作家としての期待を抱く書き手がいるかも知れない。そんなことを、ふと、思う。