花火。
「火花」はまだ読んでいないが、今年、花火ははだいぶ見た。
今日は店のすぐ眼の前の浜での花火打ち上げがあった。
本数は精々100。それでも、世界だか国内だか判然としないが、優勝した花火師による、とのうたい文句を裏切らない、
なかなかのものだった。
生憎、雲がすぐそこの低空まで垂れ込み、挙げ句、風が見ている浜のほうへ吹いていたので、花火の煙が立ち込め、綺麗な画は撮れなかった。
花火と桜はどこか似ている。どっちも華々しく咲き、寿命は短い。とくに花火は一瞬の「美」だ。
「ああーーーっ」と束の間歓ばせ、さっさと消えてなくなる。唯、残像だけが残る。美の余韻を記憶させる。
それにしても、今年で2回目? とのことだが、この花火、すべてがボランティア。呼べば一発いくら費用がかかるのかは知らないが、
無償で百発も見事な花火を堪能させてくれるのだから、その熱意には頭が下がる。
島内はこの時期、帰省客が多い。
今日、店に来てくれたお客さんも帰省客が多かった。久しぶりに故郷である島に帰り、親や友人たちとの語らいに癒され、都会の喧騒をほんの少しの間でも、忘れているような顔が多かった。
彼ら彼女らにとっても、このお盆の15日の、浜から見上げる堤防からあがる花火見物の光景は、明日明後日には仕事場である都会に帰る人々にとっては、ほんの一瞬ではあっても、闇空に作大輪の花火を映す夜の海は、きっと、思い出、という、これから帰る都会への、いいお土産になれば、と思わずにはいられない。
ああ、可能なら、私も再び、島での花火や友人たちとの語らいを土産に、都会に出張りたい。