一応、脱稿。
三月にある人物の一代記のようなのを本にしたいとオファを受け、
本人に取材したものの、エピソードの凄まじい人で、そのまま記せば何千枚にもなりそうで、棄てるものの多さに難儀したが、数日前に一応仕上がり、依頼主に送った。
不満なら書き直すつもりではあるが、実在の人物だけにかなり大変な作業だった。
事業の数とその成功を書くだけなら、時系列で並べればいいので、それだけならいま現役の社員が書けば事足りるが、私にお鉢が回って来た以上、多少の物語が必要なのだろうと推測しての作業だった。
地元の人なので、3・11の大津波は避けて通れないが、しかし、さらっと触れるだけにした。自宅の屋上から自衛隊のヘリで救出され、九死に一生を得た人でもあり、この人の一生は常に津波とともにあった、と言っても過言ではない。
私もそうで、あの東日本大震災は海のど真ん中にあるような魚市場の二階駐車場で一晩過ごしたので津波に対しては思い入れが人一倍あるが、しかし、3ページほどにとどめた。
そして第一稿が仕上がったと一息つけば、九州や四国、それに京都など集中豪雨を受けての特別警戒宣言と、テレビに映し出されるのを観て、体験しているだけに他人事とは思えなかった。
話は違うが、芥川賞の候補作にあげられた「美しい顔」かな?
何か色んな物議を醸しだしているようだ。ネットで探して読んでみた。
凄い書き手だね。いま言えるのはその一言。後でじっくりと感想を書こうと思う。