近況。
商売に於いての恩師がなくなり、少しでも恩返しになればと思い、人手不足の昨今、頼まれてホテル内にあるレストランを今月から手伝っている。
むろん、亡くなった師が経営していた関連施設だ。ずっと続けてほしい、とは言われているが、ローテーションに嵌め込んでの手伝いは今月だけで、来月からは土日に限り、出勤することにした。
この仕事、どんなにキャリアがあっても、はじめての仕事場に行けば一からとなる。それは長い年月をかけてつくり上げたところに入り、その形になれるまで多少の日数を必要とするからだ。
しかしそれも、数日で馴れた。もっとも献立の内容を把握すれば、あとは手早さだけを自分に課すだけなので、そんなに悩むこともない。
唯、きついのは通勤。片道五十キロ弱ある。たまにならいいが、往復での毎日百キロはさすがに応える。三陸道を利用しているが、これからは雪やアイスバーンになることを思うと、それだけで億劫になる。
話は変わるが、今日、帰宅後にネットでニュースを観ていると、加山雄三が脳梗塞、と報じていた。かなり高度な検査を定期的に受けているはずなのに、病気とはどんな人にも突然訪れるものらしい。
検診といえば、社会に出てからこれまで、一度も受けた記憶がない。あ、一度ある。数十年まえに生命保険に入る際、保険屋のお姉さんに引率されて、その保険会社と契約している産婦人科の個人病院で、簡単なチェックを受けたことがある。それだけだ。
喰うものは美味ければ何んでも大量に胃袋に入れ、毎食腹十分状態だし、塩分や糖分も考えたことがない。酒はそんなには飲まないが、煙草は一日二箱。
こんなんじゃ、正常であるほうが異常だろうから、わざわざ病気を探しに検診など行こうとは思わないで今日に到る。もし病院に行けば、医者が小躍りするぐらいの病が見つかるのではないだろうか。
そんなことを思いながら、今夜ももう少しで出来るはずの夕食を愉しみにしているのだから、どうしようもない。