台風。
今、午後三時。
台風はまだ、八丈島あたりらしいが、三陸のこの地にも影響が出て、少しずつ、風が強まってきている。昨夜夜半から雨も降りどおしで、鬱陶しいこと甚だしい。
ここいらにもっとも近づくのは明日だろうか。築五十数年の木造あばら家住宅なので、風に堪えられるかどうか心許ないが、避難施設となっている公民館よりは高台にある家のほうが安全なような気がするし、猫もいるので家に這いつくばって、台風が通り抜けるのを待つことにした。
今、書斎にあがり、うねりと岩に当たって砕けた波飛沫が舞い上がる海を見ながら、さて、こんな日はどうしたものか、と思い、あ、そうだ。原稿でも読み直すか、と思い立ち、一応完成している一般小説の原稿を眼の前に置いて、ここへの書き込みをしている。
台風がこのあたりまで影響を及ぼすのは何十年ぶりだろう、幼いころはけっこうな数が来ていたような覚えがあるが、最近はずっとなかったような気がする。
それにしても、台風、地震、津波、とどこに棲んでても緊張を強いられるね、この国は。
自然現象だけじゃなく、最近は取り巻く近隣の情勢も落ち着かない。
何かこう、気持ちがパッとはじけるようなのってないのだろうか。最近、いつもそう思う。