小鳥遊葵(たかなしあおい)のブログ

雑多なことを、気ままに書き連ねている「場」です。

抽斗から過去を呼び戻す。

今月に官能の新刊が出るが、そのゲラを七月初頭に送ってからこれまで、普通の小説を書いたり、ストックしてある過去のを読み直したりしている。

 むろん、低レベルの習作なので、だれからも見向きもされないものなのだが、

そんな傷物でも生みの親としては飼い猫同様可愛いし、もし奇跡が勃きるなら、これもこれも、という思いに急かされての、

自慰行為のような作業を自ら慈しんでいる。

 この十年ほどはパソコンですべて書いているので量的には大したことないが、以前は原稿用紙に書いたのを、ワープロで清書していたので、その原稿用紙の量が半端じゃない。重ねれば背丈ぐらいにはなるのではないだろうか。

 時間があるとあちこち抽斗を漁っていて、十年ほど在籍していた同人誌で刊行した本もだいぶ出て来た。

 千葉にあった「松柏」その後の「新松柏」という同人誌で、私の短編もかなり載っている。

 今はないが、当時は「文学界」に同人誌評のコーナーがあり、そこに取り上げられるのが愉しみだった。

 私は五度取り上げられた。その中の一作はが、文学界の何月号だったか、ベスト5に取り上げられたときにはとても嬉しかった。

選んでくれた評者から連絡があり、「とてもいいと思ったので、文学界の編集に推薦しておいた」との言葉があり、転載は実現しなかったが、一時期、舞い上がったことなどを思いだしながらの、今になっての古い原稿の読み直し。

 また、あのころの心意気をどんな方法かで取り戻し、再び、応募に明け暮れるのも、これからを過ごすにはいいかも知れない。

 そんなことを思いながらの作業は、かなり虚しいのだが、しかし、愉しい。