小鳥遊葵(たかなしあおい)のブログ

雑多なことを、気ままに書き連ねている「場」です。

 田舎の生活とは……。

 先日、数日上京しただけで、人ごみに酔うような感覚に陥り、とっとと田舎に戻りたい、と思ったものだが、しかし、どちらかというと、都会での暮らしのほうが合っているように思う。
 田舎で何十年も過ごしていると、とくに島以外でくらした体験のない人ならいいが、余計なおせっかいが煩わしい。
 私の場合、毎日、少しずつではあるが書き物をしているので、書斎に閉じ籠っていることが多く、そして、書いてないときでも本を読んだり調べ物をしているので、周囲からは「怠け者」のように見られているようなのだ。


 本を書いている、と説明しても、詳しいことは言わないので、いや、それよりも、ここいらの人々は汗をかく仕事もせずにそんな腹の足しにもならないことをし続けている変わり者という眼でしかみない。
 身内の叔母でさえ、たまに書斎を覗き、パソコンを睨んでいると、何か訳の分からない趣味に没頭しているように見えるらしく、仕事だと説明しても胡散臭い眼をしている。
 そう。ここいらでの仕事とは、躰を使い、汗を流しながら従事する海の仕事や、船に乗って町に勤めに出て夕方帰宅する人こそが仕事をしている人なのであり、毎日、書斎に閉じ籠っているような輩は変人でしかないのかも知れない。第一、物を書いて金を得る、などという発想はまったくない。
 でもまあ、それも仕方ないだろう。たしかに日々が変人そのものなのだから。毎日やらしい小説を頭の中で組み立てているのは事実だし、変人というよりはここいらの人から見れば異次元の生き物のように眼に映るのだろう、きっと。


 でもねぇ、物を書いて飯を食うとなると、多少、--いや、四六時中没頭しないととてもじゃないが、お金にはなりません。もっともそんなこと言ったところで、より以上に小ばかにされるだけなので、何も言いませんけどね。