初体験。
締め切り日が決められていて、その日に何とか原稿を仕上げた。
こんなことは初体験。これまではだいぶ余裕をもって書き終えていた。
書き始めて三か月。これは時間的にはかなりの余裕。
けれど、二か月間は店の仕事や葬式が二つ連続であったりと、何やかやと忙しなく、フォーマットで十枚ぐらいしか進んでいなかった。
そんなこんなで、正味一か月程度の時間しかなかった。しかも店は毎日のことなので、書く時間は一日に2時間あればいいほう。
それでも何とか仕上げたが、まだ疲れが抜けない。
やく470枚(400時詰め原稿用紙換算)。それを1か月で書くとなると、一日でおよそ15枚。けっこうな肉体労働でした。
大したものを書いているわけではないが、引き受けた以上、それがいつ刊行されようと、締め切り日までには仕上げる。それだけはいつも肝に銘じている。
毎度のことだが、いまはただ、ぼぉーっとし、椅子の背に体をあずけたまま手足を投げ出している。